【コーヒー】

日本の喫茶店でコーヒーを注文すると、カップの取っ手を左側にして提供されるケースが多いです。

しかし、日本人のほとんどは右利き。

コーヒーカップも右手で持つ場合が多いのに、なぜ、カップの取っ手は左側にしてセットされているのでしょうか?

コーヒーカップの取っ手を左に向けるルーツは茶道にあり

茶道のイメージ

「カップの取っ手を左にする」文化は、明治時代にコーヒーが日本国内で定着する中で生まれました。

日本には茶道の文化があり、茶道ではお客様に茶碗を出すとき、茶碗の正面がお客様のほうを向くように配置します。

お客は、お茶を飲むときに、提供された茶碗をぐるりと半回転させて、正面が向こう側を向くようにして飲みます。

この、ぐるりと半回転させて飲む文化が根付いていたため、コーヒーにもそれが応用され、コーヒーカップの取っ手を左側にセットし、ぐるりと半回転させて取っ手を右側にしてから飲む、という風習ができたのです。




家でインスタントコーヒーを飲むなら、好きな取っ手の向きでOK

コーヒー

喫茶店ではコーヒーカップの取っ手を左にして提供する場合が多いですが、家で飲むインスタントコーヒーは、好きな取っ手の向きでOKでしょう。

もともとインスタントコーヒーは、ご家庭でも手軽にコーヒーを楽しめるように発明された飲料。

取っ手の向きに特に決まったルールはありません。それぞれの個人の好みや利き手に合わせて、取っ手の向き選択しましょう。

インスタントコーヒーを一番最初に発明したのは日本人という説

余談ですが、インスタントコーヒーの発明者は、日本人のかただと言われています。

珈琲ときくと、一見、アメリカかヨーロッパあたりの発明かと思いがちですが、実は日本人の科学者、加藤了(さとり)さんというかたが一番最初に発明しました。

加藤博士は、1899年に、今の製法と同様の真空乾燥方式のインスタントコーヒーを発明。そして、1901年のニューヨーク州で開かれた博覧会で、「ソリュブル・コーヒー」という名前で発表をしました。

「ソリュブル」というのは「溶ける」という意味

しかし、加藤博士はこのソリュブルコーヒーの売り込みや宣伝はしなかったそうです。

特許も取らずに、そのままお蔵入りし、しばらくは市場に出回ることがありませんでした。

それからしばらくたって、大手飲料メーカーがソリュブル・コーヒーに着目。

開発が進み、私たちの食卓にもコーヒーが届くようになったとのことです。

コーヒーカップの取っ手の持ち方

コーヒーカップの取っ手の持ち方

コーヒーカップやティーカップは、取っ手に指を通さず、取っ手部分をつまむようにして持つのが正式なマナーと言われています。

とはいえ、カップが小さく、取っ手が細い場合は、指を通して持つと安定感がなく、落としてしまう可能性があるため、取っ手を摘むように持つ、両手で持つ場合もあります。

正しい作法としては「取っ手をつまむ」ですが、あまりこだわりすぎずに楽しくコーヒーを楽しみたいですね。