- 野球選手はなぜ「ひまわりの種」を食べるのか?
- そもそも「ひまわりの種」って食べれるの?
野球の試合――主にメジャーリーグを観戦していると、野球選手がひまわりの種をベンチで食べている光景を目にします。
ときにはグラウンドに殻を飛ばしたりして、なんだか楽しそうな姿も。
この記事では、野球選手が食べる「ひまわりの種」について解説します!
野球選手がひまわりの種を食べる3つの理由
野球選手が試合中にひまわりの種を食べる理由は、主に3つ。
- 試合中の暇つぶし
- ひまわりの種は栄養がある
- 咀嚼(噛む行為)による集中力UP効果
試合中の暇つぶし
野球の試合は、雨天コールド等ない限りは最短で9回表までゲームが続きます。1試合にかかる時間は平均して約3時間。延長戦に突入した場合は、野球選手がベンチ・グラウンドで過ごす時間はさらに増えて長丁場になります。
そこで、試合中の長い待ち時間、ベンチにいる時間の「暇つぶし」に食べるのが、ひまわりの種。
ひまわりの種を食べ、殻を飛ばしたりして次の出番を待ちます。
ひと昔前までは「噛みタバコ」を試合中に愛用する野球選手が多かったのですが、噛みタバコはコンディションやフィジカルに悪影響を及ぼす恐れもあることから、昨今のMLBでは噛みタバコが禁止され、かわりにひまわりの種やガムを食す選手が増えてきました。
飴、ガムよりも栄養価が高い
ひまわりの種ではなく、ガムや飴を食べて過ごす野球選手もいます。
ガムはメジャーリーガーだけでなく、日本のプロ野球選手でも守備につきながら食べている人が多いですね。
ガムを選ぶか、ひまわりの種を選ぶかは個人の好みによるのでどちらがオススメというわけでもありませんが、ひまわりの種は必須脂肪酸の一つ「リノール酸」や「ビタミンE」などの栄養価も豊富。
糖分の多いガムや飴よりも栄養バランスが良好という理由で、ひまわりの種を選んでいる選手もいそうです。
咀嚼による集中・リラックス効果
食べ物を「噛む」――咀嚼する行為には、集中効果、気分転換作用があります。
ものを噛むことで脳が活性化し、瞬間的な運動能力が高まるという研究結果も出ています。
『噛むことが脳波に影響する』ことを科学的に証明した研究が、2008年に発表されています。
引用:噛めば噛むほど、脳が活性化する?
咀嚼(噛む)により「セロトニン」という脳内物質「通称:幸せホルモン」も分泌されるため、緊迫する試合中のリラックス効果にも期待できます。
野球は一瞬の判断が重要なスポーツ。速度のついたボールを打つ、取る、投げるなど、瞬時の判断が必要なため、少しでも集中力を高めるために「噛む」行為がプレイに良い効果をもたらします。
メジャーリーガーの「ひまわりの種」食べ方
野球選手が食べるひまわりの種は、すでにローストしてあり、味や塩気がついています。
味にもいろいろな種類――塩味、こしょう味、バーベキュー味などさまざま。
日本で「ヒマワリの種」というと「ハムスターやリスの餌」などのイメージですが、アメリカではおやつ感覚でひまわりの種が買えます。コンビニやスーパーマーケットでも普通に売られているほどです。
しかしながら「種の殻」はついたままなので、メジャーリーガーがひまわりの種を食べるときは、口の中で殻を割って中身だけ食べて、殻はグラウンドにペッと吐き捨てます。
昨今では、ひまわりの殻を飛ばす行為が禁止されつつあります
大谷翔平選手の「ひまわりの種」食べ方
大谷翔平選手も、メジャーリーグではベンチでひまわりの種を食べています。
ただ、大谷選手は日本育ちのためか、地面に食べ物を吐き捨てる行為はしません。手持ちの紙コップなどに、ヒマワリの種の殻を捨て入れている姿を見かけます。
ダルビッシュ有投手の「ひまわりの種」食べ方
※画像調整中
ダルビッシュ投手もベンチでひまわりの種を食べています。
普段はクールな印象のダルビッシュ投手。ベンチではチームメイト争って、ひまわりの種を飛ばすなどしており、なんだかとても可愛いです。
ひまわりの種って栄養あるの?毒性は?
日本ではローストされたひまわりの種がほぼ売られていないため、
ひまわりの種って、食べても大丈夫なの?
と心配になりますが、実は、ひまわりの種は栄養価が高く、味にもクセがないため、海外では料理やおやつ、お菓子作りなど、幅広く食べられています。
ピーナッツやクルミのような感覚です。
ひまわりの種の栄養「リノール酸」「葉酸」「ビタミンE」など
ひまわりの種は、想像以上に栄養が豊富。
「リノール酸」「葉酸」「ビタミンE」など、毎日摂取したい栄養素が含まれています。
成分 | 効果 | 特徴 |
リノール酸 | 血中コレステロール値を下げる 中性脂肪値を下げる |
必須脂肪酸 体内で合成できない (食事から摂る必要あり) |
ビタミンE | 細胞壁等の機能維持 血行促進など |
抗酸化ビタミン 脂溶性 |
葉酸 | 細胞の生産や再生を助ける 造血 |
ビタミンB群 水溶性 |
中でもリノール酸は必須脂肪酸ですが、体内では合成できず食品で摂る必要がある不飽和脂肪酸であるため、ひまわりの種は手軽な栄養補給としても役立ちます。
不飽和脂肪酸(ふほうわしぼうさん)とは
脂肪の構成要素である脂肪酸のうち、植物や魚の脂に多く含まれるもの。体内で合成できない
ヒマワリの種の毒性
海外のスーパーなどで買えるひまわりの種は、食用に加工されおり、熱を通して炒ってあるため、そのままでもおいしく食べられます。食用のひまわりの種に毒性はありません。
毒性はありませんが、食用のひまわりの種はカロリーが高く、脂分も多いので、食べ過ぎてしまうと吹き出物やカロリーオーバーなどのトラブルを引き起こす恐れはあります。
いっぽう、ふつうの植物のひまわりから採取した、観賞用ひまわりの「生の種」は、食用に栽培されたわけではないため、そのまま食べてはいけません。