野球の「猛打賞」について、なるべく分かりやすく解説。
- 猛打賞とは、どんな意味?
- 猛打賞を取ると、何がもらえるのか?
- 猛打賞の歴代記録は?
- 猛打賞とマルチ安打の違いは?
- 猛打賞と固め打ちの違いは?
猛歩賞など、「猛〇賞」の小ネタもあわせて紹介します。
先に結論
「猛打賞」=1人の選手が1試合で3安打以上記録
猛打賞とは
猛打賞(もうだしょう)とは、1試合中に3安打以上記録した選手に与えられる賞です。
「3安打」は、ヒットでも2塁打でも3塁打でもOK。
もちろん、ホームランでも超OK。
「安打」の記録が問われるため、内野安打もカウントされます。3本打てば猛打賞です。
ただし、フォアボールやデッドボールなど、安打以外での出塁はカウントしません。
猛打賞を達成すると、何がもらえる?
猛打「賞」というだけあって、猛打賞を達成するとスポンサー企業から、賞品や賞金がもらえます。
猛打賞の「賞」の内容は、球団や達成した球場によって異なります。
猛打賞でもらえるものの代表例は以下の通り。
- 賞金(お金)
- 商品券、ギフト券、食事券
- 食べ物(お米、お菓子、麺など)
- 飲み物(ジュース、スポーツドリンク、ビールなど)
- 日用品(シャンプーや化粧品など)
- ゲーム
- 家電製品
スポンサー企業によって、猛打賞の商品内容は変わります。
賞の内容は、試合開始前や猛打賞達成時に球場アナウンスされます。
猛打賞の歴代記録
猛打賞の歴代記録を、いくつかご紹介します。
猛打賞の日本通算記録
日本のみの通算記録において、いちばん多く猛打賞を獲得しているのは、「喝!!」でおなじみの張本勲氏です。
選手名 | 達成回数(日本) |
---|---|
張本勲 | 251回 |
川上哲治 | 194回 |
長嶋茂雄 | 186回 |
野村克也 | 180回 |
福本豊 | 178回 |
松井稼頭央 | 178回 |
坂本勇人 | 178回※現役 |
立浪和義 | 175回 |
王貞治 | 171回 |
広瀬叔功 | 169回 |
※2022年終了時
【備考】
日米通算記録でカウントした場合は、イチロー氏の「379回」がぶっちぎりで最多猛打賞
猛打賞のシーズン記録
1シーズン内で猛打賞を何回獲得したか? の歴代記録は以下。
選手名 | 球団 | 達成回数 | 達成年 |
---|---|---|---|
西岡剛 | 千葉ロッテマリーンズ | 27回 | 2010年 |
秋山翔吾 | 埼玉西武ライオンズ | 27回 | 2015年 |
イチロー | オリックス・ブルーウェーブ | 26回 | 1996年 |
1シーズン内での猛打賞達成回数は「27回」が最高。
ただし、達成年ごとで、年間試合数は異なります。
- 西岡剛選手は144試合出場で27回
- 秋山翔吾選手は143試合出場で27回
- イチロー選手は130試合出場で26回
少ない年間試合数で猛打賞をより多く達成したのは、イチロー氏です。
連続試合での猛打賞
猛打賞の連続達成は「5試合連続」が最多記録です。
選手名 | 達成年 | 連続回数 |
---|---|---|
西沢道夫 | 1954年 | 5試合連続 |
井口資仁 | 2003年 | 5試合連続 |
「猛打賞」と「マルチ安打」の違い
3安打記録の「猛打賞」の一歩手前に「マルチ安打」があります。
マルチ安打は、1人の選手が1試合で2安打以上ヒットを打ったときに記録されます。
「マルチ安打=複数安打」「マルチヒット」とも呼ばれます。
マルチ安打 | 2安打以上 |
---|---|
猛打賞 | 3安打以上 |
2安打は「マルチ安打」、3安打で「猛打賞」
「猛打賞」と「固め打ち」の違い
たくさんヒットを打った記録を表現する野球用語に「固め打ち」があります。
固め打ちは、一人の選手が少ない試合数で、多くの安打を打った状態を指します。
「猛打賞」は1試合中に3安打を達成する必要がありますが、「固め打ち」は数試合、続けて打ちまくること。
使用例
「6戦5発の固め打ち」「3連戦で7安打の固め打ち」
猛打賞以外の「猛〇賞」(猛歩賞・猛走賞・猛振賞など)
「猛打賞」の類語(?)に、「猛歩賞・猛走賞・猛振賞」などの野球用語があります。
インターネットの掲示板や、SNSなどで見かける場合もあるので、念のため解説します。
猛歩賞 | フォアボール(3回以上) |
---|---|
猛走賞 | 盗塁 (3回以上) |
猛振賞 | 三振(3回以上) |
猛死賞 | デッドボール (3回以上) |
猛併賞 | 併殺打 (3回以上) |
猛犠飛賞 | 犠牲フライ(3回以上) |
猛犠打賞 | 送りバント(3回以上) |
猛歩賞
「猛歩賞」は、1試合中に1人の選手が3回以上、四球を勝ち取った状態。
フォアボール3回で猛歩賞です。
猛烈に1塁まで歩きまくるので「猛歩賞」と呼ばれます。
猛走賞
「猛走賞」は、1試合中に1人の選手が3盗塁以上を決めた状態。
最低でも3回の出塁が必須のため、かなり難易度は高く、名誉ある記録です。
猛振賞
「猛振賞」は、1試合中に1人の選手が3回以上三振した状態。
積極的に打ちに行った結果の三振であればやむなしですが、なんだかとてもツラい記録です。
猛死賞
「猛死賞」は、1試合中に1人の選手が3回以上、デッドボールを受けた状態。
ありそうで無さそうな記録ですが、過去にも「猛死賞」の記録は残されています。痛そうです。
西鉄:竹之内雅史選手の猛死賞
1970年5月24日の阪急戦(小倉)での1試合3死球はプロ野球記録
阪神:関本賢太郎選手の猛死賞
1試合3死球:
2008年9月10日、対東京ヤクルトスワローズ19回戦(阪神甲子園球場)
※史上2人目(プロ野球タイ記録)
猛併賞
「猛併賞」は、1試合中に1人の選手が3回、併殺打に打ち取られてしまった状態。
ゲッツー3回×2アウント=1人で6アウト取られる計算になり、地獄です。
チャンスをつぶしまくる選手の苦悶の表情を見ると、観戦しているこちらも泣きたくなります。
猛犠飛賞
「猛犠飛賞」は、1試合中に1人の選手が3回、犠牲フライを打った状態。
3塁にランナーを置いている状態、かつ2アウト以外のカウントが必須になるため、目にする機会は少ないです。
猛犠打賞
「猛犠打賞」は、1試合中に1人の選手が3回、送りバントを決めた状態。
チームのために、コツンコツンとバントを決めきる職人技は、まさに「いぶし銀」。
見かけるチャンスは少ない、レアな記録です。