野球の釣り球とは
  • 野球の「釣り球」とはどんなボールなのか?
  • 釣り球を投げる意味(バッターへの効果)は?
  • 釣り球のデメリット
野球観戦、挨拶

野球の「釣り球」について解説!




釣り球とは

野球の「釣り球」とは、その名の通り「打者をつる」ための球です。英語でウエストピッチとも呼ばれます。

つり‐だま【釣(り)球】 の解説
野球で、打者の打ち気をさそうような投球。

バッターが思わずスイングしてしまい空振り三振に打ち取られる、あるいはバットの芯が外れフライアウトになれば、釣り球は成功。

野球観戦、解説くん

高めに「あえて外す」ボール球を、野球では「釣り球」と呼びます。

盗塁、エンドラン、スクイズ警戒のために、わざと大きく外す球(ピッチアウト)とは異なります。

参照:1983 江川卓 高めのつり球

釣り球の効果

野球の釣り球は、良くも悪くも諸刃の剣です。

うまくいけば打者を打ち取れますが、投げミスなど甘い球になれば、長打を打たれるデメリットがあります。

野球観戦、解説くん(疑問)

デメリットがあるのに、釣り球を投げる意味あるの?

釣り球がうまく決まれば、アウトカウントが増え、打者の気を逸らせるため、戦術としては有効です。

釣り球の効果をザッとまとめると以下の通り。

  • 空振りが取れる
  • 打球を詰まらす
  • 凡フライで打ち取る
  • ファウルにし、ストライクカウントを稼ぐ
  • 高めに投げ、バッターの目線を変えさせる
  • バッターの反応を見て、狙い球を見極める

ツーストライクから高めの釣り玉を投げて、空振り三振が取れればベストです。

空振りが取れなくとも、バットの芯やタイミングを外し、打たせて取れれば1アウト。

打者がつられなかった場合は、「反応がなかった」という事実から、どの球を待っていたのか(カーブ待ちなのか、スライダー待ちなのか等)を探ることができます。

回転数の高い釣り球で空振りを取る

球の回転数が多く、ホップ成分が多いほど、釣り玉による空振りが取りやすいです。

回転数が多いと、球が重力で下へ落ちにくくなるため、打者からすると「球が浮いた」ように錯覚し、結果、想定していた位置よりも低めにボールが走ります。

釣り玉とは異なりますが藤川球児投手のストレートは、ボール3個分ホップするように見えたことから「手元で急に球が浮く」など評され「火の玉ストレート」と呼ばれていました。

藤川球児の火の玉ストレートは、ボール3個分ホップしていた
ホップ成分は、プロのほとんどの投手が40cm強。ボールの直径は約7.3cmなので、「来るとわかっていても打てない」
引用:藤川球児の火の玉ストレート、全盛期はボール3個分ホップ

野球観戦、嬉しい

藤川球児投手、全盛期のストレート回転数は1秒間に45回転!(2700rpm)
※ストレート回転数が2500超えたら、超すごいと言われる

高めが好きな打者、大きい当たりを狙う打者に有効

釣り球は、ホームランバッターなど、高めの球が得意ゾーンの打者に、より有効です。

とくにツーストライクからは、打者は見逃し三振を避けるため、高めのくさいボールは最低ファウルにカットすべく手を出します。

釣り球は、投げた瞬間は真ん中を走りますが、バッターの手元で高めに伸びるため、球が浮いたぶん空振りになりやすいです。

万が一、釣り球をファウルにされても、いったん高めに目線を変えさせたため、次に投げる低めの球の有効性が増します。