「かわいい」には、人を引き付ける魔力があります。
確かに、かわいいは正義。プリティーなモノやヒトは見ていて飽きないし、むしろ永遠に見ていたい。

さて。現在2021年2月27日。プロ野球の春季キャンプも終盤に近付き、我思います。

――最近、吉見がかわいい。

吉見――そう、いわずと知れた吉見一起さんです。ドラゴンズの元エース。背番号19、精密機械の二つ名を持つレジェンド吉見。

引退前の2~3年間は「マウンドが固い……」「キャッチャーは俺が育てる……」と発言しており、責任感やら重圧やらでなんだかとても苦しそうなオーラを出しまくってましたが、引退後のインタビューや今年のキャンプレポートでは、すっかり肩の荷がおりて晴れ晴れスッキリすがすがしい表情をしておいででした。

沖縄キャンプの取材中に「そろそろ野球やりたくなった?」と聞かれ、

吉見「ぜんぜんやりたくな~い(笑)」

とか言っていましたし(笑)

大の大人に対してこんなこと言うのも失礼な話ですが、自由の身になった吉見の笑顔はホント可愛くて、まるで縁側で浮世を忘れてノビノビくつろぐ猫のよう。楽しそうで何よりですなぁ、と感じた今日この頃。

さて。

そんな吉見さんの背番号19を受け継ぎし者が、2020年ドラフト1位ルーキー投手の髙橋宏斗(たかはしひろと)君。

これまた、かわいい。

愛知県尾張旭市出身18歳。

ドラフト会議での指名直後の受け答えを目にした第一印象。「なんだこのカワイイ生き物は……」

引退後の吉見さんが放つ可愛さオーラとはまた一風違う、別の可愛さがあります。素で可愛い。デフォルトカワイイ。背番号19はカワイイの系譜なの?

ドラゴンズの新人さんで、こんなかわいいルーキーは久しぶりです。

ここ最近のドラ1ルーキーだけで思い返すと、去年2019年の石川昂弥氏は入団時点ですでに妙な貫禄があり、もはやドラゴンズに10年くらい居たような謎の大物感がありましたし、一昨年2018年ドラ1の根尾君も、真面目でしっかり者のイメージで「かわいい」と形容するのは何か違いました。むしろ「根尾先生!」って呼びたくなるような兄上感。

そこに来て、髙橋宏斗君は「これぞ高校生!」という学生っぽさがツボです。インタビュー時の受け答えも丁寧で初々しかったのを記憶しています。おそらく、全国10億人のドラゴンズファンの母性をくすぐったのではないでしょうか? 報道陣に語る言葉を一生懸命考えてきたのか、はたまた育ちの良さが美しい語彙を選ばせているのか、いろいろな要素が合い混ざって「がんばれ~がんばれ~」と応援したくなります。もし髙橋君が転んだりしたら、消毒液と赤チン片手に駆け寄りたくなる。包帯も必要以上に巻く。ぐるんぐるん巻く。過保護にして差し上げたい。箱に入れておきたいようなカワイさ。

でも、いざブルペンに立つとエグい球を投げるとのことで。マウンドでも150km計測したとかしないとか。最速154kmとかなんとか。スリークォーター気味な角度に見えますが、かなり早い球を投げるんですね。ギャップもまた良き。可動域が広いらしく、潜在能力の高さも光ります。ってかよくドラフト会議で1本釣りできましたね……ありがとう、与田監督。







「可愛くて初々しい高橋君」が、「貫禄ある絶対的エース髙橋」になる日まで

繰り返しになりますが、とにかく髙橋宏斗選手はかわいい。

いろんなOBが「髙橋君は良い!」「髙橋君はエースになれる器!」と評価している声も聞こえてきます。解説者によっては「2年後には絶対出てくる」「なんなら今年の夏から出てくる」など、いろんな高評判が聞こえてきますが、どうか無理しないでほしいです。箱入り息子としてスクスクと育ってほしい。

それにしても、ここまで評価が高いと期待しかないです!

再来年あたりにはドラゴンズの先発ローテーションの一角を担い……数年後に開幕投手をつとめ……日の丸を背負い……いつかは世界にも旅立ってしまうかもしれません。そのころには、今のようなあどけない感じの可愛さは見られなくなるかもしれない。だがそれでいいです。どんどん勝ち星をつけて、どんどん大きな存在になって、真面目で純粋だった野球少年が、貫禄あるオーラを放つ野球選手に変わりゆく姿を見届けようぞ。

髙橋少年が「エース髙橋」になるころには、わたしの応援なんて必要なくなる日がくるんだろうなと思うとちょっと寂しいですが、それもまた良し! 髙橋君が「世界のタカハシ」になったあかつきには、「わたしがタカハシを育てた」と近所にドヤ顔で言って回ろうかと思ってます。

時は流れて、さらに数十年後、200勝達成で名球会入りした髙橋投手がナゴヤドームで華々しい引退試合をしたあと、肩の荷を下ろして、また入団時のような可愛い笑顔を見せつつメディアに出てくれたら、わたくしメはそれで満足です。ちょうど引退後の吉見が軽やかに笑っているように、吉見から髙橋へ、さらにその先へ、可愛いの系譜をつないでほしい……

……

……って、そもそも開幕すらしていないし、まだ公式戦で1球も投げてないうちからこんな妄想を吐いているのもアレですが、でも、あらぬ心配をしてしまうくらい、2020年ドラ1の髙橋君は可愛いのです。くれぐれもヘンな女子アナだけには捕まらないでいただきたい。

余談ですが、同じ「タカハシ」つながりで、阪神タイガースの髙橋遥人(たかはしはると)投手もかわいいですよね。髙橋ハルトと髙橋ヒロト。お名前もなんとなく似ているので、中日×阪神戦でハルトとヒロトが投げ合って、実況アナウンサーとか解説者さんが大混乱するのも見てみたいです。

「ピッチャー髙橋宏斗、セットポジションから髙橋ヒ……失礼しました、髙橋、髙橋遥人に投げました、打ちました、3塁線切れたファール、高橋周平見送りました。髙橋ヒ……遥人、振ってきましたね~」

「今のはツーシームですかね。髙橋投手の……髙橋ハ……宏斗投手、今日も腕が振れてますね~」

「そうですね。髙橋ハ……ハロ……宏斗投手は中5日での登板になっております」

「髙橋ヒル……遥人選手もバッティングはかなりいいですからね」

……みたいな?
ラジオで聞いたら、なかなかにしてカオス。

そんなこんなで、髙橋宏斗投手!
お体に気を付けて。これからの活躍を楽しみにしております。

藍浦みかん

■この記事を書いた人:藍浦みかん
2021.2.28
今日の小ネタ「吉見さんは登板前日に真っ赤なトランクスをはいて寝るらしい」