誰もが知っている有名な絵、「モナ・リザ」
レオナルド・ダ・ヴィンチの傑作で、ルーブル美術館に所蔵されているこの油彩画ですが、
あまりにも有名であるがゆえか、モナ・リザにまつわるエピソードは数多くあります。
例えば、モナ・リザが絵の中で唇に微笑を浮かべている理由――。
これも様々な説があり、例えば、
「モナリザ――つまり、モデルである女性(エリザベッタ)は、当時、お子様を失ったばかりだった」
という説。
モデルとして、じっとしている静かな時間に、なくしたお子様のことを思い出してしまい、
その悲しみが表情に浮かんでしまったのだろうというものです。
言われてみると、彼女の着ている服は黒系の喪服のようにも見えます。
はたまた、別の説もあります。
この「モナ・リザ」は1503年から足掛け4年くらいの歳月を使い描かれました。
モデルのエリザベッタは24歳から27歳くらいだったと言われています。
ダ・ヴィンチは製作にたっぷり4年をかけたのですが、
そんな長い月日の間、モデルに始終同じ表情を取らせることは不可能です。
そこで、ダ・ヴィンチは、モデルとしてじっとしていて退屈してしまうエリザベッタを楽しませようと、
彼のアトリエに道化師や音楽家を招きました。
エリザベッダはそんな「楽しくなるもの」を見て、思わず微笑を浮かべた、との説です。
どちらの説が正しいのかは、当人のエリザベッタに聞いてみないと分からないですが、
もしかしたら「どちらも正しい」のかもしれないですし、
「どちらも間違っている」のかもしれないです。
ただ、「モナ・リザ」には見ている人の想像力を掻き立てるようなミステリアスな雰囲気があります。
今日もパリのルーブル美術館で、見るものを魅了する「モナ・リザ」
微笑の理由はいまだ解明されておらず、謎は謎のまま、鑑賞する人を不思議な感覚、世界へ誘っているのです。