味噌の色の雑学

日本人にとってのソウルフード、お味噌汁は食卓に欠かせない一品です。

大豆から作られる味噌は栄養値も高く、健康食としても注目を集めています。

さて、そんなお味噌ですが、地域によって色合いが変わってきますよね。

「私はぜったい、白味噌がいい!」

「僕は生まれながらの赤味噌派だ!」

なんて声も聞こえてきそうです。

ではなぜ、同じ大豆から作られる味噌なのに、色が変わってくるのでしょうか?




赤味噌と白味噌の色の違いは、製作工程での大豆の処理によって変わる

味噌の原料は大豆

味噌の原料は大豆です。

これは、赤味噌でも白味噌でも違いはありません。

赤味噌と白味噌の違いは、味噌を作る工程の相違により発生します。

大豆にはアミノ酸がたくさん含まれているのですが、アミノ酸は加熱されると糖分と結びついて褐色に変わる性質(メイラード反応)があります。

  • 白味噌は、大豆をゆでて作ります。
  • 赤味噌は、大豆を蒸して作ります。

白味噌は、ゆでつつ作成していくので、アミノ酸はお湯の中に溶け出し、結果、白くなります。

しかし、蒸して作る赤味噌は、メイラード反応が顕著に現れるため、茶色に変わるのです。

味噌の色の違いは、製作工程で大豆を蒸したか、大豆をゆでたかによって変わっていたのです!

赤味噌と白味噌、栄養の違い

同じ味噌でも、赤味噌と白味噌では栄養価が違います。

味噌汁のイメージ

※100gあたりの栄養価

赤味噌 白味噌
エネルギー 186Kcal 217Kcal
タンパク質 13.1g 9.7g
脂肪 5.5g 3g
炭水化物 21.1g 37.9g
食物繊維 4.1g 5.6g
水溶性食物繊維 0.6 g 0.3g
不溶性食物繊維 3.5 g 5.3g
ビタミンE 0.5mg 0.3mg
ビタミンK 11µg 8µg
ビタミンB1 0.03 mg 0.05mg
ビタミンB2 0.1mg 0.1 mg
ナイアシン 3.4 mg 3.5 mg
ビタミンB6 0.12 mg 0.04 mg
ビタミンB12 0µg 0.1µg
葉酸 42µg 21µg
ビオチン 14µg 5µg
ナトリウム 5,100 mg 2,400 mg
食塩相当量 13g 6.1g
カリウム 440 mg 340 mg
カルシウム 130 mg 80 mg
マグネシウム 80 mg 32 mg
リン 200 mg 130 mg
鉄分 4.3 mg 3.4mg
亜鉛 1.2 mg 0.9 mg
0.35 mg 0.22 mg

参照:栄養価の高い味噌の選び方(健達ねっと)

赤味噌と白味噌を見比べてみると、全体的に赤味噌のほうが白味噌よりも栄養価が高めな傾向が見てとれます。

いっぽう、赤味噌は栄養価が高い利点がありますが、塩分も多くなるため、取りすぎには注意が必要です。

赤味噌と白味噌の使い分け

赤味噌と白味噌は、味わいや栄養面が異なるため、料理によって使い分けがおすすめです。

赤味噌は、コクがあって味わいが深いため、具だくさんの味噌汁やおでん、焼き物、煮ものに使っても風味が負けず、濃厚な味わいになります。

    白味噌は、比較的まろやかであっさりとした味わいが特徴です。野菜や豆腐などの優しい味わいの素材と合わせると、より美味しくなります。深い味わいよりも爽やか、軽めに仕上げたいときに使うと、バランスの良い料理に仕上がります。

    赤味噌と白味噌は混ぜて使ってもいい?

    赤味噌と白味噌は混ぜて使ってもOKです。赤味噌と白味噌を混ぜて使うと、味噌の風味や味わいを調整できます。

    赤味噌は濃厚でコクがあり、旨味が強く、白味噌はやや甘みがあり、マイルドであるため、混ぜ合わせによって、よりバランスの良い味わいに仕上げることができます。

    赤味噌は煮物や炒め物など、コクや深みを求められる料理に、白味噌は汁物や和え物など、あっさりとした味わいが求められる料理に向いています。赤味噌と白味噌を適量混ぜ合わせることで、料理の用途や味わいに合わせた使い方ができるようになります。

    ただし、赤味噌と白味噌を混ぜ合わせる場合は、味噌の種類やブレンドの比率によって味わいが大きく変わるため、注意が必要です。初めての試みであれば、少量から始めて、味見をしながらの調整をおすすめします。




      【まとめ】赤味噌と白味噌の違い

      味噌汁のイラスト

      赤味噌と白味噌違いを、ざっくりまとめます。

      赤味噌 白味噌
      原料 大豆 大豆
      発酵時間 1年以上
      長時間
      数日~数ヶ月
      短時間
      栄養価 白味噌より高い 赤味噌より低い
      塩分 白味噌より高い 赤味噌より低い
      地域 東北地域、中京、中部地域 西日本
      味噌の種類 八丁味噌、仙台味噌、津軽味噌など 府中味噌、西京味噌、讃岐味噌など
      香り・味わい 深いコクと味わい
      独特の香り
      まろやかな味わい

      赤味噌と白味噌には栄養面や味わいなどの違いがあります。どちらも栄養価が高く、健康的な食品ですが、摂取量には注意が必要です。

      以上、お味噌に関する雑学でした。

      話のネタとして、ご家族にお友達に、ぜひ話してみてくださいね!