銀シャリの「シャリ」とはなに?

お寿司屋さんでは白米のことを「銀しゃり」と呼びますが、この「しゃり」の由来をご存知でしょうか?

「炊く前のお米をシャリシャリと研ぐから?」
「噛んだときにシャリッと言うから?」

「しゃり」と聞くと、擬音のように感じがちですが、実のところは、「しゃり」は仏教用語の「舎利」がルーツとなっています。




お米、お寿司の「しゃり」の由来は仏教用語

お米、お寿司の「しゃり」の由来は仏教用語

しゃり――「舎利」は、火葬されたお釈迦様のお骨のこと。

日本各地の古いお寺では、舎利骨と呼ばれる小さなお骨を、お釈迦様のものとして祭ってあるそうです。

そのお骨は、まるで米粒くらいの白い小粒なもので、この印象から、舎利=お米のイメージがついたとも言われています。

舎利【しゃり】
サンスクリット語(シャリーラ)からの音写。
骨組・構成要素・身体を意味します。このシャリーラが複数形になると遺骨という意味も表します。
引用:日蓮宗

また、輪廻の教えによると、仏舎利はめぐりめぐって五穀になると考えられていました。

人間の血となり肉となる五穀(米・麦・あわ・きび・豆)は、とても尊いもの。

お米が主食の日本では、一粒一粒のお米をとても大切にしてきました。

お釈迦様の化身でもあり、生命の源でもあるお米が尊重されて、現代でも「しゃり」と呼ばれ続けているのです。

普段、なにげなく食べているお米ですが、意外なことにそのルーツは「仏教用語」が元となっていました。

「銀しゃり」と「しゃり」の違い

「銀しゃり」と「しゃり」の違い

「しゃり」は「しゃり」でも、「銀しゃり」と呼ぶ場合があります。この、

  • 「銀しゃり」の銀は、どこから来たのか?
  • 「しゃり」と「銀しゃり」の違いはどこにあるのか?

についてもお話します。

「しゃり」が呼び方として広まったのは江戸時代

お米のことを「しゃり」と呼ぶのが広まったのは、江戸時代ごろと言われています。

仏教用語である「しゃり」は、最初に僧侶が使っていました。(舎利殿)

僧侶たちの呼び方が人々に広まり、白いお米が「しゃり」と呼ばれるようになりました。

「銀しゃり」は大正時代~昭和初期に定着

いっぽうで「銀しゃり」という呼び方が使われ始めたのは、大正時代以降と言われています。

当時、戦時中だった日本は食糧難の時代でした。

第二次世界大戦中の日本は食べ物が不足し、飢餓状態に陥る人々が多く、タンパク質は豆類や魚介類で摂り、主食のお米は貴重すぎたため、麦飯やとうもろこしご飯などが作られました。

白米の貴重さが「銀のしゃり――銀しゃり」と呼ばれるルーツとなったわけです。

白米はツヤがあり、表面がピカピカして銀のように光って見えるため、「銀しゃり」と呼ばれました。

銀シャリの「銀」は、「銀の粉」が由来、という説も

昔は、精米するときに石臼を使ってゴリゴリしていました。

玄米をすり下ろすときに、石臼につく玄米の粉が、銀色に見えたため、見た目から「銀しゃり」と呼ばれ始めた、という説もあります。

玄米を砕くために使われる石臼についた銀色の粉が、内側に位置する部分に付着するために「銀シャリ」と呼ばれるようになったという説もあります。
引用:「銀シャリ」の由来とは|みどりフーズ

「しゃり」はお寿司のごはん部分、「銀しゃり」は白米

現代では、「しゃり」はお寿司に使われる用語(すし飯)、「銀しゃり」は白米を意味することが多いです。

「シャリ」はすし飯、「銀シャリ」は艶めく白米
引用:銀シャリ(Wikipedia)

「銀しゃり」ではなく「金しゃり」はある?

「銀しゃり」はよく聞く言葉ですが、銀といえば金――「金しゃり」と呼ばれるお米そのものはありません。

ただ、商品名としての「金しゃり」は存在します。

ローソンの金しゃりおにぎり

参照:「ローソンのおにぎり屋シリーズ「金しゃり」おにぎり」

例えば、ローソンが販売している「金しゃりおにぎり」など、高級感あふれる商品のネーミングとして冠されるケースがあります。

以上、今回はお米に関する雑学でした。機会があったらご家族やお友達に話してみてくださいね!




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