お料理屋さんなどの店舗の入り口に、お塩が盛られているのをよく見かけますよね。
この「盛り塩」は、一般的にお清めの為に置いていると思われがちですが、
そのルーツを辿ると、実はこの盛り塩は「お客様をたくさん呼ぶためのおまじない」だったのです。
むかしむかし、中国の皇帝はたくさんの妾(めかけ)を囲っていました。
皇帝は夜な夜な、牛車に乗って妾の住むお屋敷を訪ねていくのです。
妾は、なんとしても皇帝をお屋敷に招き、ご寵愛を賜りたい、
しかし、妾は自分だけでないので競争率が物凄い……
「三十六の後宮には三千人の淑女よそおいを飾り」と言われるほど、妾の人数は多かったといわれています。
そんな中で、皇帝を自分のお屋敷に招く為には工夫が必要です。
そこで生まれたのが「盛り塩」の文化でした。
皇帝が乗っている牛車をひく牛さんは、実は「塩」が大好物。
盛り塩をしておくと、牛がその場でピタッと動きを止めてしまいます。
牛車が動かないことには、移動ができません。
結果、皇帝は、牛車が停車したお屋敷へ行くことになるのです。
このような故事から、来て欲しい人――お客様を招き寄せる方法、習慣として、玄関に塩を盛るようになったそうです。
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